ネバネバが特徴的な緑黄色野菜の『 オクラ 』
幅広く使われているオクラですが、どのような栄養素が含まれ、体内でどのような働きをするのかご存知でしょうか。
夏バテ症状の予防や高血圧の予防に役立つカリウム、粘膜の健康維持や視力の調整を助けるβ‐カロテン、排便を促す作用や生活習慣病の予防に役立つ食物繊維など、様々な働きをもつ栄養素が豊富に含まれています。
この記事ではオクラに含まれている栄養素や、栄養素を効率良く摂取できるレシピを管理栄養士がご紹介します。
体内へ効率的に栄養素を吸収する方法はあまり知られていないので、是非参考にしてくださいね。
目次
1 . オクラに含まれる主な栄養素と効能
オクラに多く含まれる栄養素は主に5つです。
各栄養素の効能について解説していきます。
①β‐カロテン
抗酸化作用があるβ‐カロテンの含有量が多いオクラ。
β‐カロテンは体内に必要な分だけがビタミンAに変換され、ウイルスが侵入しやすい鼻や喉などの粘膜の健康維持や視力の調整を助ける働きがあります。
②ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑える効果が期待できます。
活性酸素には皮膚や粘膜を劣化させる働きがあるため、ビタミンCによってその働きを抑え、コラーゲンの生成を促進することから免疫力を保つ美肌効果が期待できますよ。
さらに、ビタミンCは風邪などの病気から身体を守るため、免疫力の向上に働きます。
③カリウム
人体に必要なミネラルの一種であるカリウム。
カリウムはナトリウムや水分の排出を促す作用があります。
水分とともに体の熱を放出するため、のぼせや火照りを鎮める効果もあり、だるさや食欲不振などの夏バテ症状の予防や緩和をすることが可能です。
そのため、高血圧の要因となる塩分の摂りすぎを調節し、むくみの改善や予防に役立ちます。
④葉酸
ビタミンB群に属する葉酸。
葉酸は造血作用のあるビタミンで貧血や動脈硬化の予防、心疾患のリスク低下も期待することができます。
その他にも、妊娠中の方が葉酸を十分に摂取することで、胎児の発達異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができます。
⑤食物繊維
オクラに含まれる食物繊維の多くが水溶性食物繊維です。
また、オクラ独特の粘り成分であるペクチンは、体内で水分を吸収して排便を促す作用があります。
さらに、血糖値の急激な上昇やコレステロールの吸収を防ぐ作用もあるため、生活習慣病の予防に役立ちます。
2 . オクラと相性の良い食材
オクラに豊富に含まれているβ‐カロテンは油に溶ける特性をもっているため、オリーブ油やこめ油など抗酸化作用をもつ油と一緒に摂取することで体内へ効率的に吸収することができます。
よって、抗酸化作用をもつ食品同士で摂取することで悪玉コレステロール値の低下や善玉コレステロール値の維持に働き、中性脂肪の増加を防いでくれるという相互作用が得られます。
その他にも、オクラに含まれるビタミンCには、コラーゲンの合成を助ける役割があります。たんぱく質を多く含む肉や魚、卵、大豆製品などと組み合わせることにより、骨や皮膚、筋肉などをつくる働きを増強させることが可能ですよ。
このことから、オクラは上手く食材を食べ合わせることによって、悪玉コレステロール値の低下や中性脂肪の増加防止、骨や皮膚、筋肉などをつくる働きを増強させることが期待できます。
3 . 栄養素を効率良く摂取できる調理法
オクラに含まれるβ‐カロテンは脂溶性ビタミンの一種。
β‐カロテンを多く含むオクラは、加熱調理をしても効果が損なわれにくく、生食よりも油と一緒に調理することでβ‐カロテンが体内に吸収されやすくなるのも特徴です。
そこで、オクラを調理する際は油炒めや揚げ物など、油を用いた調理法がおすすめですよ。
一方、オクラに含まれるビタミンCやカリウムは熱や水分に弱い栄養素です。効果的に摂取したい方は、栄養素の損失を抑えるために茹でる工程を電子レンジ調理に置き換えることが重要です。さらに、茹であがりは水には浸けず、ザルに移して冷ましましょう。
このように、摂取したい栄養素によって調理方法を選択し、オクラの栄養素を効率良く摂取しましょう。
4 . 栄養豊富なオクラを使ったおすすめレシピ
オクラを使ったおすすめレシピ3品をご紹介します。
栄養素を活かした調理法や相性の良い食材と調理をし、効率良く栄養素を摂りましょう。
『自家製めんつゆ』の作り方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
市販のめんつゆをお使いになる場合は、レシピ記載の半量程を希釈してお作りになってください。手軽にお作りいただける3品なので、是非お試しくださいね。
5 . まとめ
以上、オクラの栄養素について解説しました。
オクラはβ‐カロテンやビタミンC、カリウムの等の栄養素が豊富な食材でしたね。
栄養素を効率良く摂取するため、以下の点に注意しましょう。
⑴ オリーブ油やこめ油などの抗酸化作用をもつ油と一緒に摂取する
⑵ たんぱく質を多く含む肉や魚、卵、大豆製品などと合わせて調理をする
⑶ 茹でる工程を電子レンジ調理に置き換える
オクラを食事に取り入れ、健康的な日々を送りましょう。
先程、ご紹介させていただいたレシピも是非お試しくださいね。
当記事が参考となり、1人でも多くの方の健康増進に携われたら幸いです♪
《参考文献》
⑴ 戸塚雄弐 , オールガイド食品成分表 , 実教出版編修部編 , 実教出版 .
⑵ 鈴木昌子 , 最新決定版 食材事典 , 廣田孝子監修 , 長崎有編 , 学研プラス .
⑶ 髙橋秀雄 , からだにおいしい キッチン栄養学 , 宗像伸子監修 , 小元慎吾編 , 高橋書店 .
⑷ 田村正隆 , くらしに役立つ栄養学(第2版) , 新出真理監修 , ナツメ出版企画編 , ナツメ社 .
⑸ 髙橋秀雄 , 正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学 , 吉田企世子監修 , 梅野浩太編 , 高橋書店 .