緑黄色野菜の代表的存在である『 ブロッコリー 』
先日、約半世紀ぶりに登録された「指定野菜」として話題である野菜の王様。
ブロッコリーは海外からも多く輸入されており、国内では収穫時期をずらしながら各地で栽培されているため、通年安定して流通している野菜ですよね。
そこで、最も美味しいブロッコリーの旬な時期はご存知でしょうか。
この記事ではブロッコリーの旬な時期や美味しいブロッコリーの選び方、適切な保存方法を管理栄養士がご紹介します。是非参考にしてくださいね。
目次
1 . ブロッコリーの旬な時期
ブロッコリーは色鮮やかでトマトの隣に飾られることも多いため、夏野菜と思われがちですが実は涼しい気候を好み、寒い季節に旬を迎える野菜です。
国外からも多く輸入されており通年流通していますが、夏に種を撒いて晩秋から春先にかけて収穫されるブロッコリーが旬。
つまり、最も美味しいブロッコリーの旬な時期は11月~3月頃です。
旬の時期に収穫されたブロッコリーは厳しい寒さに耐え、しっかりと糖分を蓄えているので一層甘く、ホクホクとした美味しさが楽しめますよ。
2 . 美味しいブロッコリーの選び方
鮮度の良いブロッコリーを見分けるポイントは主に5点です。
是非、以下のポイントを踏まえて日頃のお買い物にお役立てくださいね。
①色
鮮度が良いブロッコリーを選ぶ際は、蕾の色が鮮やかで緑色が濃いものが美味しく、全体的に黄ばんでいるものは避けましょう。
「傷んでいる」と思われがちな紫色のブロッコリー。紫色はアントシアニン色素と呼ばれ、品質や味に影響はなく、寒さに耐えるために生成されたポリフェノールの一種です。
ブロッコリーは寒さに当たるほど糖分を蓄えるので、紫色のブロッコリーは一層甘いですよ。さらに、アントシアニンには脂肪の蓄積を防ぐ作用が期待されています。水溶性なので、茹でると緑色のブロッコリーになりますよ。
スーパーで紫色のブロッコリーに出会えたらラッキーですね♪
②形
蕾は細部に限らず、全体の様子を確認しましょう。
美味しいブロッコリーは蕾が小さく粒が揃っていて柔らかくなっておらず、全体が硬く締まっているものがおすすめです。
また、中央部分がしっかりと盛り上がっているものを選びます。横から見ても上から見てもドーム型になっているブロッコリーが美味しいですよ。
③葉
ブロッコリーには小さな外葉が付いていることが多く、外葉がしおれていないものを選びます。
外葉がしおれているものは鮮度が落ちているので避けるようにしましょう。
④茎
栄養価が高い茎の部分も忘れずに確認しましょう。
茎は全体的にツヤがあり、傷や変色していないものを選びましょう。
茎の切り口の色が黒く変色しているものは鮮度が落ちているので、切り口が新しいブロッコリーを選ぶのがおすすめです。
さらに、茎が割れて空洞が出来ていないかも合わせて確認しましょう。
⑤重さ
ブロッコリーは大ぶりなものほど熟度が高く、甘みが増すと言われています。
全体的に重みがあり、大ぶりのブロッコリーを選ぶのがおすすめですよ。
3 . ブロッコリーの適切な保存方法
最後にブロッコリーの状態や用途を考慮し、適切な保存方法について解説します。
①生のまま保存する場合
生のまま保存をするときは表面の水分をよく拭き取り、保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。野菜室には茎を下向きにし、立てた状態で入れましょう。
ただ、時間が経つにつれてビタミンCが失われるため、直ぐに食べるか茹でてから保存をすることを推奨します。
②茹でてから保存する場合
新鮮なうちに塩茹でを済ませて保存しましょう。
硬めに塩茹でをして十分に水気を切り、密閉容器や保存袋に入れて野菜室で保存をします。また、可能である限り早めに食べ、2~3日以内に使いきりましょう。
もし、直ぐに食べない場合は重ならないように平らに広げ、冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。
③冷凍保存をする場合
なるべく早く食べ切る方が良いですが使い切らなかった場合、塩茹でをしてから小分けにして冷凍保存をしましょう。
冷凍保存をする場合、小房に分けて硬めに茹でます。茹でたブロッコリーは十分に水気を切り、平らになるように冷凍用保存袋に入れてから保存しましょう。
冷凍保存は一ヶ月ほど可能ですが、早めに使い切ることを推奨します。
ブロッコリーを冷凍保存しておくと、炒め物やスープ等、多くの料理に活用することができるので常備野菜としておすすめですよ。上手く栄養素を摂るため、電子レンジでの加熱が手軽でおすすめですよ。
なお、ブロッコリーに含まれるビタミンCは水に溶けやすい水溶性のビタミン。
茹でたり、流水で洗いすぎると損失しやすい栄養素です。
上手く栄養素を摂るため、電子レンジでの加熱が手軽でおすすめですよ。
4 . まとめ
以上、ブロッコリーの旬な時期や美味しいブロッコリーの選び方、適切な保存方法について解説しました。
「傷んでいる」と思われがちな紫色のブロッコリー。
紫色はアントシアニン色素で糖度が高く、脂肪の蓄積を防ぐ作用があるとは驚きましたね。
より美味しいブロッコリーをいただくため、以下の点を覚えておきましょう。
⑴ 最も美味しい旬の時期は11月~3月頃
⑵ 蕾の色が紫色、または鮮やかで緑色が濃いもの
⑶ 蕾全体が硬く、中央部分がしっかりと盛り上がっているドーム型
⑷ 茎や葉は全体的にツヤがあり、傷がなく変色していない
⑸ 全体的に大ぶりで重量感がある
⑹ 新鮮なうちに塩茹でを済ませて保存する
⑺ ビタミンCの流出を電子レンジ加熱で防ぐ
美味しいブロッコリーの選び方や適切な保存方法を踏まえ、是非日頃のお買い物にお役立てくださいね。
当記事が参考となり、1人でも多くの方の健康増進に携われたら幸いです♪
《参考文献》
⑴ 戸塚雄弐 , オールガイド食品成分表 , 実教出版編修部編 , 実教出版 .
⑵ 鈴木昌子 , 最新決定版 食材事典 , 廣田孝子監修 , 長崎有編 , 学研プラス .
⑶ 髙橋秀雄 , からだにおいしい キッチン栄養学 , 宗像伸子監修 , 小元慎吾編 , 高橋書店 .
⑷ 田村正隆 , くらしに役立つ栄養学(第2版) , 新出真理監修 , ナツメ出版企画編 , ナツメ社 .
⑸ 矢崎謙三 , これは効く!食品力を120%活用する食べもの効果効能事典 , 阿部芳子監修 , 主婦の友社編 , 主婦の友社 .